みなさんは、推拿(すいな)という言葉をご存知でしょうか?
余り聞き慣れない言葉ですが、医療行為として行われる按摩の事を推拿と呼びます。
日本では中国整体と呼ばれているものがそれにあたり、中国政府では公式な医療用語として用いられます。
日本で行われる中国整体は医療行為に当たらず、民間療法のひとつとして施術されていますが、その中の技法は、推拿の一部の専門手法を用いた療法と言えるでしょう。
日本では、中国整体というと按摩の事だと勘違いされている場合が多いようですが、本来の意味では、中国整体と按摩は違うものだとは、あまり知られていません。
ただ、按摩の技法というものが推拿の技法に最も近く、勘違いを産む原因ではないでしょうか。
また推拿をマッサージと訳してしまうことも多く見受けられ、本来の持つ技法や意味が誤解されることも多いようです。
語源は、手を一方向に推し進めることを「推」、推し進めた手で掴みあげる事を「拿」と呼ぶことからきています。
中国医学では、その理論にも続いてツボや筋肉、関節などを手で施術し、疾病の予防や治療を行っており、鍼灸の治療と並ぶくらいに一般的な医療となっています。
また病院も多く、中国国内には専門の法的資格が数種類ある事も、いかに知名度が高い医療技術であるかを物語っています。
おもな効能としては次のことが挙げられるでしょう。
骨格や軟組織の損傷にあたる治療
- 50肩
- 腰痛
- 頸椎痛
- 腱鞘炎
- ぎっくり腰
- 椎間板突出
- 後天性のO脚・X脚
- 寝違え
神経系統の症状
- 頭痛
- 偏頭痛
- 神経痛
- 座骨神経痛
- 不眠
消化器系
- 下痢
- 便秘など
感覚器系
- 後天性斜視
- 眼精疲労など
女性の疾病
- 冷え性
- 生理痛
- 更年期障害など
これらの痛みを和らげたり、無くす事の他、内臓の働きを調節して生理機能を回復させるでしょう。
体外から心地よい刺激を与えながら、内臓器官を伝わって、自己治癒能力を高めるのです。
推拿は100種類以上の手技があると言われており、力加減や経路、ツボを効果的に利用した中国医学なのです。