推拿とは按摩のルーツとも言える手技療法で、現代では中医学に分類される医療です。
対して西洋医学があり、推拿の効果は立場の違う西洋医学からも立証されています。
中医学で良く出てくる言葉に、経路というものがあります。
経路とは中医学では、人体の中の気や血液の通り道を意味するものです。
この経路に障害があると人の健康状態が悪くなると考えられています。
内臓や、神経、体の隅々に渡っているものですので、流れを良くすることがとても重要になりますね。
この経路に、様々な手技を使ってツボに刺激を与え、経路に働きかけ、流れを良くします。
流れが良くなると自然に体調も良くなり、内臓器官にも良い影響を与えるでしょう。
中医学の根本である、病気になりにくい体を作りだす、予防療法ともいえますね。
また気血の流れを良くすることも推拿の効能では重要なことでしょう。
気血とは、人の体に流れる気と血液の事を意味し、当然体の隅々にまで渡っているものです。
気血の流れを良くする場合は、押す、揉むなどの手技を使い局部を刺激していきます。
この場合は特定部位であたり、経穴(ツボ)に対して働きかけます。
経路を調整しながら、心肺機能や内蔵の働きを整えてくれるでしょう。
推拿療法などにより、全身に行き渡っている気血の流れが改善されるんですね。
これらに挙げられる経路の流れや、気血の流れを改善する事は、中医学では重要な事です。
西洋医学では薬物投与などで、血流改善や内臓疾患に対応していますが、
中医学では推拿のように、手技で治療する場合もあるのが日常です。
中国でも症状によって、中医学、西洋医学を使い分け治療するのが普通で、手技だけを使う療法は、副作用もない面でもある意味安全な治療とも言えるでしょう。
特に「気」という概念は中医学独特のものであり、血液と気を混在させた「気血」など、考え方は理にかなっていると言えるでしょう。
体のバランスを整えるのが、中医学の根本にあるからこその療法だとも言えますね。