推拿発祥の国である中国では、推拿は鍼灸や漢方と並び、長い歴史のある医療技術です。
病名や原因の確定している疾病は、手術や投薬で治療ができますが、人間の身体はたいへん複雑です。
原因がハッキリしないケースや、神経系統の乱れは、西洋医学では治療が困難なのです。
そういった疾病をフォローできるのが推拿医療で、中国では外科や内科と同様に、病院に推拿科があります。
推拿による治療は、人間の身体の内部のバランスや、気の流れを整え、本来持っている治癒能力を高め、身体の内側から、根本的に健康にしていきます。
しかし推拿は、日本ではまだあまり一般には知られていないようです。
中国整体、中国医療整体と紹介されることが多いのですが、それだけでは推拿の本当の魅力と効果は、わからないでしょう。
もともと整体の治療院を開業している整体師や、マッサージや鍼灸の技術を持つ人達が、推拿に注目し始めている段階なのかもしれません。
ある程度の知識や技術のある人から見た推拿は、大変魅力的な治療技術です。
捻挫や肩こり、関節痛などで整体やマッサージを受ける人や、鍼灸治療を受ける人は多いですよね。
簡単に言ってしまうと、推拿はこれらの技術や知識の、いいところを集めた治療法といえるのです。
器具や薬などは一切使わず、手技だけで、ツボを刺激して、身体の内部にまで効果があるのが、推拿の手技テクニックです。
力押しの手技とは違い、ソフトなものなので、リラクゼーション効果も高いです。
そのため、肩こりや腰痛だけでなく、更年期障害や自律神経失調症などの症状にも効果があります。
最近では、推拿の手技や理論を学べるスクールも増えてきています。
ほとんどのスクールが、推拿と整体、マッサージなどを、総合的に学ぶことができるスクールです。
そのようなスクールで、正式に推拿を学ぶ人が増え、確かな技術を持った推拿治療が、気軽に受けられるようになるのは、患者にとって大変喜ばしいことです。