推拿(すいな)は日本では「中国整体」または「中国医療整体」と呼ばれています。
単なるマッサージや整体とは違い、人間の身体を全体的にケアする医療技術です。
推拿では、全身のツボや、経絡、筋肉、関節を刺激して、気の流れのバランスを整え、新陳代謝や血液の流れを良くすることにより、身体の不具合を改善します。
中国では鍼灸、漢方と並び、長い伝統のある医療技術です。
中国の医療機関には、外科や内科と同じように「推拿科」があるほどですが、残念ながら日本では、まだあまり定着していません。
人間の身体には、たくさんの関節があります。この関節が何らかの不具合を起こし、関節痛という症状になって表れます。
関節痛の原因も症状も個人差が大きく、症状の段階によっても、治療法はさまざまです。
膝や腰などの関節に効くといわれている、ヒアルロン酸やコンドロイチンという成分があります。
特にヒアルロン酸は、関節の変形による関節痛の緩和や、関節のスムーズな動きに即効性があるため、注射や経口薬として活用されています。
ただし、ヒアルロン酸では根本的な関節痛の治療にはなりません。
いうなれば、油が切れて動きが悪くなった機械に、一時的に油を足してやるようなものです。
動きの悪くなってしまった原因を改善しなければ、根本治療にはならないのです。
推拿では、一人一人の患者の症状に合った治療法を探り、施術していきます。
関節痛の症状も、損傷しているのが筋組織の場合は、ゆるやかな手技によるマッサージを施し、骨の場合には、整体のような施術をします。
関節痛に長年悩み、色々な医療機関で治療をしても完治しなかったという人が、推拿療法で治ったという話もよく聞きます。
推拿は、人体を知り尽くし、研究された医療であり、豊富な経験と知識が要求される技術です。
伝統があるからといって、けっして古臭いものではなく、西洋医学の良い点も取り入れて、進化しているのが推拿です。
そのため、信頼できる推拿療法を実践している治療院を見つけるのが、推拿治療の第一歩になるでしょう。